2010年5月27日木曜日

IDEAS comtition反省編

ここにIDEAS competitionの結果について簡単にまとめてみた。
我々のプロジェクトExo-Kneeは残念ながら無冠に終わったけれども、final proposalのフィードバックが帰ってきたので、ここに来年のためにreflexionをしてみた。

-英語がnativeではない。
これはごもっとも。時間がないので、ばーっと書いてみてチームのメンバーでネイティブの人に添削を頼んだけれどもおそらく彼があまりみてくれなかった(?)やはり、他人に頼りすぎずにしっかり時間をかけて書く必要があると思った。あと、言い訳になるけれども締め切り数時間前に一旦提出して、そのあと全体を見直したあとに再提出しようとしたら一度しか受け付けてくれないシステムだった。

-proposalの中に"I"と"We"がまじっている
これは文章を自分で書いているときに、どうしても潜在的に思っていることがでてしまったらしい。要は義足自体はほぼ一人で作っており、最近メンバーにはいった友達と協力していただいているKopernikの中村さんは主に普及プロセスで協力していただいている。この役割をしっかりとするとともに、"I"は使うべきではなかった。

-インドでやるのか?カンボジアでやるのか?
普及プロセスがすこし複雑でクリアにジャッジに伝えることができていない部分が多かった。インドのJaipurfootと協力し、多くの途上国に手を伸ばすということをうまく表現したかったのだが。

-プラスチックではうまくいかない
これは、HDPEの特性を書いていなかったから。HDPEは一般的にプラスチックといわれている素材よりも強く、そして重い。インドでは多くのHDPEが使われている。

-LegolegとExo-kneeとの違い
Ken Endoとはだれか?という質問をジャッジングセッションときに受けた。義足に関して2つの違うアプローチをしているプロジェクトに同じ人物がいることにひっかかったらしい。あとから思ったことだけれども、この2つのプロジェクトを同じコンペに出すことはしないほうがよかった。

ほかにもいろいろと書いてあったが、手厳しいものだった。ただただ、自分たちの考えていることを10ページにクリアにまとめあげることが如何に難しいかということを痛感。そもそも義足はただでさえ市場が(他のメディカルデバイスとくらべると)小さく、ビジネスにすることが難しい。まして、Jaipurfootのようにすでに寄付でビジネスサイクルをまわしているところがあると、新しい利益の生まれるサイクルを考えることは非常に困難である。しかし、IDEASに参加したことで、新しいグラントやプロジェクトの話が舞い込んできた。ぎりぎりになって決めた参戦だったけれども、注目があつまるこのイベントに参加した価値はあったと思う。

もしいっしょに義足関連のプロジェクトをやりたいという方が連絡ください。おまちしております。

2010年5月16日日曜日

Designとデザイン

最近、いろいろなデザイナーやエンジニアと仕事をしていて思ったこと。日本語のデザインと英語のDesignは違う言葉であり、この言葉の違いによって偏った情報が広がっているように見受けられる。

日本で、「世界を変えるデザイン」という言葉を耳にする。間違いなくこの本が影響を与えている。

世界を変えるデザイン――ものづくりには夢がある世界を変えるデザイン――ものづくりには夢がある
(2009/10/20)
シンシア スミス

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もともと、この本のオリジナルは「Design for the other 90%」というCopper Hewit National Design Museumで行われた同名の展示会のパンフレットのようなものである。この本の中に「デザインには世界を変える力がある。」というlona de Jongh氏の言葉があり、デザインで途上国で生活している人々の生活を劇的に改善することが可能であると力説している。事実、本の中には途上国向けに開発されたプロダクトの数々は紹介されており、機能と見た目を兼ね備えたものばかりである。

一方で、このデザインがプロダクトの普及に悪い影響を与えているという話もよく耳にする。洗練されたデザインをもつプロダクトには、計算された曲線美や調和された色が選別され、開発プロセスにも大きな影響を及ぼす。この行為は一般的に生産コストを高くし、現地生産のハードルを高くすることにもなる。現にKopernikで扱われているような製品は、現地で生産されてはいない。


以前、学部生のときにあるデザイナーと仕事をする機会があった。PINOというロボットである。当時ロボットにデザインをするという話はあまりなかったので、ロボットの性能はともかく、非常に話題になったことを覚えている。PINOのデザイナーは松井龍哉さんという方で、現在flower roboticsというデザイン事務所を運営している。あまり当時のこまかい話を覚えていないけれども「デザインとは花のようなものである。あってもなくても命にはあまり影響はないけれども、存在自体に人の心を豊かにする力がある。」というように、デザインの意義について話をしていただいたのを覚えている。会社の名前がflower roboticsとなったのもそこからきているとか。その後,山中俊治さんのようなデザイナーの方とも仕事をする機会があったが、自分のなかでどうもしっくり来なかったのが、技術者とデザイナーの間にくっきりとひかれた境界線だった。メディアラボに留学を決めたもの、ラボの説明会に参加したときに「アーティスト、サイエンティスト、エンジニア、デザイナーなど、状況によってすべてのhatをかぶる必要がある」という言葉を聞き、メディアラボでの研究を決めた経緯もあった。

留学してから、ずっと思っていることがデザインとDesignの使い方の違いである。一言にデザインというと、日本語ではプロダクトの外観をデザインすることのように聞こえる。もちろん、技術的なことにも関わってくるのだろうが、主に「デザイン」という言葉はプロダクトの「見た目」をよくするためのものとして使われる。IDEOのTim BrownのTEDのトークを聞いても、自分のやった1つの仕事を「技術に魅力的な外装をつけた」と表現した。

一方で英語でDesignというと、確かに日本語のデザインの意味も含まれるが、機械やビジネスプラン、会議などを作り込む作業にもDesignという言葉を用いる。その証拠に、Design for the other 90 %には、日本語のデザインとはかけ離れたものも紹介されている。D-labのCharcoal pressやIDEのポンプがそれらである。去年出版された「Design Revolution」という本にもさまざまなDesignされたプロダクトが紹介されている。MITのD-labにもDesignのクラスがあるが、すべてがDIYの技術であって、日本語の意味でのデザインをしているプロジェクトは何一つない。

Design Revolution: 100 Products That Empower PeopleDesign Revolution: 100 Products That Empower People
(2009/10)
Emily Pilloton

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現在、Designのもつ意味すべてではなく、日本語のデザインがもつ意味が強くなり、広がりをみせているように感じる。もちろん、デザインには世界を変える力がある。しかし、デザインだけでは世界を変えることはできないと断言したい。(慶應では「世界を変えるものづくり」というクラスが始まるらしい。)

今日から「世界を変えるデザイン展」が始まるらしい。このような活動が増えるのはもちろん嬉しい。しかし表面的な展示会で終わるのではなく、ぜひともプロダクトの開発の背景にあるストーリーや開発プロセスにも注目してほしい。

2010年5月4日火曜日

IDEAS competiton 結果

残念ながら義足のプロジェクトから参加した2つのチームとも、無冠でした。敗因は、、なんでしょう。ちょっと自信はあったのですが、それだけにがっかりでした。

とりいそぎ、結果報告まで。

2010年4月26日月曜日

# 「本日締め切り」 技術はうそをつかない

先日投票をお願いした社会起業のビジネスプラン、MIT IDEAS competitionの発表会が本日4月6日に行われる。投票をお願いしたものの他のチームの票がものすごい勢いで伸び、残念ながら現在6位と遅れをとってる。それもそのはず、ブログやfacebookには宣伝させていただいたけれども、他にはあまり活動をしなかった。一方で他の参加者をみてみると、先週ずっと知り合いや知り合いの知り合いにまでメールを送りつづけ、投票をお願いしていた。自分にも他のチームの投票をお願いするメールが何通か届いた。




正直、この投票で賞金が発生するのには疑問があるのだけれも、それはおそらくコンペの本番で証明されるだろう。webには現在1500字しか書かれていないために、各チーム提案されているプロジェクトは一見すばらしいものばかり。しかし実物をみてがっかりする人も多いだろう。

我々が提案しているExo-Kneeという名前の義足は、インドのJaipurfootというNPOと一緒に開発したもの。

exo-knee2.jpg

ExoはExoskeletal(外骨格)を意味していて、外側に下腿素材を使うことで、人の膝のような形に見せることができる(これが現地の人には非常に重要)。そして、足が地面についているときには膝がロックされ、地面から離れているときには膝がフリーになる。言葉にすれば単純だが、それを形にするのにはかなりの時間が必要とされる。われわれはこの過程に2年間費やし、いろいろな実験を行ってきた。そして今年、この義足の長期大規模な試験を行い、来年以降からインドに普及させようとしている。義足は、ランプや水の浄水器とはちょっと違い、普通の経路で単純に売ることができない。それは価格だけの問題ではなく、義足を患者にフィットさせるための技術者、機材が必要となるからだ。われわれは義足の普及プロセスにもKopernikと協力して、アイデアを提案させていただいている。



2010年4月24日土曜日

はじめまして

先日IDEAS competitionについて、投票をお願いする記事を書きました。
その後、非常にたくさんに方の支持をいただきました。現在22チーム中5位に位置しています。
正直、他のチームの組織票を前にどうしたものか悩みましたが、投票よりも本質で勝負するということを考え、4/26にあるJudging Sessionをがんばろうということをメンバーと話をしました。

そのExo-Kneeとよばれる義足ですが、ASME主催のishowというコンペでセミファイナリストに選ばれました。

ishowとは学生を対象とした、イノベーションとアントレプレナーを推進するためのコンペティションです。同じファイナリストの中には同じD-labの仲間のAmos Winterが作ったLeveraged Freedom Wheelchairや義足のクラスを2008年に受講したKarina Pikhartもチーム内にいる6dot Braille Labelerもいます。これらの2つのチームはいろいろなメディアに取り上げられ、さまざまな賞を受賞している強敵です。他のチームのことは知りませんが、同じセミファイナルに残ってきたチームなので、すばらしいものであることは間違いないです。

Judging Sessionは6月5日、Pittsburghです。決勝もたのしみですが、念願のFalling Waterも見にいくことができそうです。楽しみ。

2010年4月21日水曜日

IDEAS competition、清き一票を

現在新しく作っている途上国向けの義足とその普及方法に関するアイデアを、MITのIDEAS Competitionに出しました。

test.png

IDEAS Competitionとは100Kと並ぶ、大規模なビジネスプランコンテストの1つ。ただし、このIDEAS Competitionは途上国向けの適正技術とそのビジネスプランに特化したものです。
このブログでも宣伝させてもらっています。

このプロジェクトでは、以前から開発しているExo-Kneeとよばれる膝義足の技術とその普及方法に新しいイノベーションが含まれています。詳しくはこのページのIdea Pitchを読んでみてください。
ほかにもおもしろいプロジェクトはたくさんあります。もしExo-Kneeを気に入っていただいたら、投票をお願い致します。

投票にはここで登録が必要です。MIT Friendとしてだれでも投票できます。

獲得賞金は夏に予定されている大規模な実地試験と今後の普及活動に使う予定ですどうかよろしくお願い致します。

2010年4月14日水曜日

3/20に行われた「大学」x「技術」x「BOP」日本発、世界を変えるイノベーションの様子が、youtubeに徐々にアップロードされています。その中で自分の発表をみてみると、相当テンパっていますね。ちょっとがっかり。

おそらく全部アップされたらここに記事がアップされるかと思いますが、とりあえず自分の分をはずかしいですがここで紹介しておきます。

発表1

発表2

発表3


パネル



自分が英語をしゃべっているのをはじめてみたかも。

近々、「遠藤さんロボットはもうやめたのですか?」と聞かれます。そんなこともなければ、ロボット大好きです。この発表の前日にも未来館にいってアシモをみてきました。そういう方向性も認めつつ、本当に役立つものがなんなのかというのを考え、BOPに目を向けたことが、エンジニアとしての原点回帰になりました。勉強は続けていますが、相変わらずビジネスは苦手です。起業はしないと思いますが、BOP関連のイベントにはたくさん参加しております。

このように興味が広がり、いろいろと手を出し始めると忙しくなり、仕事がまわらなくなったときに必ず「本職に戻れ」という言葉を思い出します。しばらくは、博士論文に集中しようかと。