2011年1月21日金曜日

再びインドへ

現在インドに来ています。今回の目的は4つありまして、
  1. BMVSSのNew Delhiのクリニックで現在作っているMIT Kneeのテスト
  2. New Delhi郊外の田舎地域でのFitting campへ参加
  3. PuneにてMedia Labのワークショップをオーガナイズ
  4. BMVSSのJaipurクリニックで義肢装具を作るためのショップ(Fablab+α)設立のための話し合い
です。D-lab関連のが1,2,4で、3はたまたまその時期にインドにいるからとメディアラボのイベントに参加することになりました。

詳しくはまた記事を書きますが、今回非常に重要なものを忘れてしまったのです。それはコンタクトレンズ。ぼくは1日の使い捨てのものを使っているのですが、それを全くもってこなかったのです。これがなければ、30cm先の新聞も読めないくらい目が悪いので、アメリカからこっちに配送する手配をお願いしたり、遅れてくるメディアラボの友達へ持ってくるようにもお願いしましたが、最低3日かかるということでした。背に腹は帰られないのでNew Delhiの中心街Connnaught Placeへコンタクトレンズを探しにいきました。するとBontonというお店でいきなり見つけることができました。しかも事情を説明したらサンプルを1週間分くれたのです。ほんとにたすかりました。

いやー、インドといえどあるもんですね。One Day Acuvue
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これから2週間ほどの、インドでの生活楽しめそうです。


2011年1月19日水曜日

MediaBand Vol.2

先日MediaBandの第二回目がありました。

MediaBandでは、メディアラボで研究している日本人が集まってただ雑談している様子をustreamしています。ここでは毎回トピックと流れだけを決めて、あとはその場の流れに任せて話を進めています。

前回は アランケイの有名な言葉を引用し、Revisiting "The best way is to predict the future is to invent it"と題して、メディアラボの文化を学生目線で話すということで、ぼくがゲストとして登場する機会をいただきました。とはいえ時間の制約とBandメンバー田中先生の要望もあtり、今回の時間の多くの部分を、ぼくがとってきた授業の一つ一つを簡単に説明に費やしてしまいました。

個人的にメディアラボのすばらしいところは、未来に描く夢のようなビジョンを全面に押し出し、その夢を現実的にも実現できるのではと思わせるような技術の発信をしているところだと思います。そして、個々の教授陣が打ち出しているビジョンがメディアという言葉で緩やかにつながり、建物の機能も加わって、イノベーションが生まれる環境が整っているのだと思います。

そんな文化に触れつつ、これまで5年半過ごしてきましたが、いい振り返りになりました。あとは卒業を残すのみ。。。


当日のムービーはこちら。


そして、当日スライドとしてお見せしたぼくの履修したが授業のリストがこちら。
簡単にリンクと解説をつけました。

機械工学科の古典制御の授業。授業では座学中心のレクチャーと実際のハードウェアをMatlabで扱うラボがあった。

2.140の現代制御版。宿題、中間試験、期末試験。
2.140と2.151が線形システムに限定していたのに対し、この授業では非線形のシステムに対してさまざまな制御手法を学ぶ。Jean-Jacques Slotineの授業。宿題、中間試験、ファイナルプロジェクト。ファイナルプロジェクトでは受動歩行器を最適制御とロバスト制御を用いて安定させた。

2.183 Biomechanics and Neural Control of Movement(昔のが見つからず今年のをリンク)
有名なNevil Hoganの授業。人間の筋肉や脳の機能を制御工学のアプローチから学ぶ。宿題、中間試験、ファイナルプロジェクト。ファイナルプロジェクトではVastiのMetabolic costの計測して、提案されているさまざまなモデルを用いた理論値と比較し、修正モデルを提案した。

6.824 Distributed Computer Systems (自分が映ってる写真発見)
コンピュータサイエンスのシステムの授業。宿題ではconsistency、concurrencyといった基本的なrequirementを満たすdistributed detabase systemを作った。宿題、中間試験、ファイナルプロジェクト。ファイナルプロジェクトではMMOGのためのdistributed computing systemを作った。

基本的なsimplex searchから始まる最適化の授業。宿題、中間試験、期末試験。

ロボティクスの若手のホープのRuss Tedrakeの授業。宿題、中間試験、ファイナルプロジェクト。

コンピュータサイエンスのセオリーのクラス。オートマトンから始まり、チューリングマシンやN、NP等を扱う数学のクラス。宿題、中間試験、期末試験。

6.863 Natural Language Processing (リンクは今年のもの)
コンピュータサイエンスのAIのクラス。文章をsyntax treeにするプログラムやそれにスペイン語の動詞の変化のルールを実装したり。宿題、ファイナルプロジェクト。ファイナルプロジェクトでは英語の文章からデータベースを作り、簡単な質問に答えることができるシステムを構築。
コンピュータサイエンスのAIのクラス。機械学習の基礎(classification, pattern recongition等)。宿題、中間試験、期末試験、ファイナルプロジェクト。ファイナルプロジェクトでは、少ないサンプルデータ(TOEFL、GPA、GRE)と似たようなサンプルデータ(他大学)を組み合わせることによって、米国大学院の合否を識別するシステムを構築。
コンピュータサイエンスのセオリーのクラス。暗号化がなぜ安全かを数学的アプローチで学ぶ。宿題のみ。

HST.011 Human Functional Anatomy (Need Harvard ID)
Health and Science Technology (Ustではhuman science technologyとかいってしまった。)の授業。Harvardのメディカルスクールの学生といっしょにとる解剖学の授業。ほかのクラスが12単位であるのに対し、このクラスは24単位。とくに金曜日の解剖は7時間におよぶこともあった。
D-labのDisseminationのクラス。途上国向けのビジネスプランを考え、エレベータピッチやexective summeryを実際に書いて、100Kなどの提出することを目的としている。宿題。

MAS.731 Society of Mind (リンクは最近のもの)
有名なMarvin Minskyの授業。著書Society of Mindを一章くらいずつを毎週よんでレポートを書き、授業の中でディスカッション。宿題レポート、ファイナルプロジェクト。

MAS.965 Human 2.0 (TAも兼任)
アドバイザーHugh Herrの授業。普通の人間がHuman 1.0として、その人間の機能を向上させるあらゆる技術を学ぶ。宿題、pop quiz、ファイナルプロジェクト。ファイナルプロジェクトでは歩行のエネルギー効率をあげるズボンのプロトタイプを作った。

IAP(レクチャラーとして)
6.095 Humanoid Robot Competiton (2007,2008)
IAPでRobo-oneをやりたいと思い、始めたクラス。残念ながら2年しか続かなかった。

Lecturerとして
D-labの義足をつくるクラス。プロジェクトベースのクラスで、途上国開発を学問として学びつつ、実際にインドの義足を学生とつくっています。

なお、今回のustの前半部分は現在アップされておりません。ぼくのミスです。ごめんなさい。

2011年1月14日金曜日

MITMediaBand

おそくなりましたが、あけましてめでとうございます。
アドバイザーの要求が日に日に増えていきますが、見切りをつけて今年は絶対に卒業したいです。

先日の勇気ある若者シリーズを見た同志社女子大学の上田先生が、メディアラボの日本人を集めてustreamと通じて何か情報発信したいという相談を受けました。そして先週始まったのがMIT Media Bandという番組(?)です。これはメディアラボかその周辺にいる日本人がただ集まって、テーマを決めて雑談をしています。

第一回目の様子はこちら。



東工大の博士課程の鹿野君が一年半の滞在を終えて日本に帰るということで、MITで感じたことを語ってもらいました。自分は見ていただけですが、上田先生や田中先生の独特の雰囲気も企画の意図とうまくマッチして、非常に楽しかったです。

そして今日夜9:00より(日本時間土曜日朝11時より)第二回目を予定しております。もしお時間の都合がよろしければみてください。大層なタイトルがつけられていますが、ただメディアラボでの留学体験を話すことになると思います。
以下、告知です。

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MITMediaBand vol.2
http://www.ustream.tv/channel/mitmediaband

9:00  Ustream.tv時代におけるRTV (Real Time Video)の挑戦
9:30 "The best way to predict the future is to invent it."  (spelled by Alan Kay)

現在ボストンを訪れている大学共同利用機関法人総合地球環境学研究所のチームと神戸芸術工科大学の曽和研究室チームが、前半の20分間の特別ゲストとして登場します。彼らは、16日のチルドレンズミュージアムでのワークショップのために訪れているのですが、この機会にUstreamにも出演をしてもらうことになりました。特に曽和さんからは、Real Time Videoを実際にUstream.tvの中に取り入れるとどうなるかという実験もしていいただくことになっています。

後半は現在MediaLabのBiomechatornics groupの博士課程の学生である遠藤謙氏が、自身の留学生活について語ります。アランケイ氏の有名な言葉、"the best way to predict the future is to invent it "は、メディアラボ副所長の石井裕教授もおっしゃるように、メディアラボを象徴するような言葉となっています。今回のustは普通の留学生活にとどまらず、そんなメディアラボに触れた遠藤氏が描いている未来のビジョンについて学生目線で語ります。


MediaBand メンバー一同
上田信行
田中浩也
遠藤謙

2011年1月1日土曜日

2010振り返り 「再起」

2010年を残すところ8時間ちょっと(ボストン時間)になったので、来年へのロケットスタートに備え、まずは自分のために2010の振り返りをしてみました。

2009年11月、父が他界し、立ち直る暇のないまま2010を迎えました。父の死はぼくにとって、思ったよりもショックが大きく、自分の生活をうまくコントロールすることができないでいました。今年は卒業をし、研究者として、社会起業家として、エンジニアとしてPh.Dをひっさげて、いろいろな活動を始める予定でした。残念ながらラボ内でもなかなかうまくいかないこともあり、いまだに卒業できないでいます。

今年一年を漢字二文字で表すと「再起」。
D-lab関連では、非常に多くの出会いがあった年でした。日本に帰る度に、いろいろなイベントで話をさせていただく機会があり、さまざまな人と会うことができました。
一方で研究は、研究トピックというよりは自分の気持ちの整理の問題で、思いのほかうまくいかなかったですが、この数ヶ月はしっかりと目標に向かって、自分の生活をコントロールできるようになりました。


これから来年の目標を考えながら年越しを迎える予定です。

よいお年を。

2010年12月21日火曜日

勇気ある若者シリーズ 小林亮介

(僕が勝手にいっているだけですが)勇気ある若者シリーズとして、ハーバードの学部生である小林亮介君のリベラルアーツサマープログラム企画についての座談会がありました。

ボストン界隈では日本人研究者交流会という有名な発表会があります。ここでは、毎月2名の発表者が自分の仕事や研究について発表をするイベントで、参加者は周辺に住むさまざまな分野の研究者や留学生がメインです。僕自身も去年発表させていただき、非常に多くのメールをいただいたり、コラボレーションが生まれたりと影響力の大きなイベントです。

一方、この若者シリーズは、まだ実行していないあるいはまだ公に発表するほどのものではないような企画を本当に興味をもっている少人数の参加者と意見を出し合いながら、企画アイデアをよりソリッドに磨き上げる場として、これまでに数回行ってきました。なぜこんなことをやっているかというと、個人的にこういった場でディスカッションをするのが好きであるのもそうですが、おそらく黒川清先生が自分のような未熟な若者を、未熟であるということをわかった上でサポートしてくださるのを見て、自分よりも若い人たちへもしなければならないという思いもありました。

今回の発表者はハーバードの学部生の小林亮介君です。彼は日本の高校生向けにリベラルアーツのサマースクールを企画しています。彼の問題意識やビジョンはクリアで非常に共感できるものが多く、これまでに何回か話を聞いてきました。今回はもう少し多くの人の前で話を聞いてもらいたいという彼の要望もあり、この会が実現しました。

彼のプレゼンと座談会の様子はこちらに公開させていただいています。


彼の問題意識は高校生のときに感じていた閉塞感から来ているものです。いま思えば、おもしろい機会がたくさん身の回りにあったにも関わらず、その時には全く知ることすらできなかった。これは自分のせいなのか。ゆとり教育の弊害なのか、内向きだからなのか。
そういった問題の原因の追求はやめて、いま彼ができることを考えたのが大学生や社会人を巻き込んだ高校生向けのリベラルアーツ教育でした。

自分が留学生の身でありながら、学位留学を人に単純に進めることができなかったのはなぜかいまいちわからなかったのですが、彼と話をしていてクリアになりました。いま日本の高校生や大学生に必要なのは、まずは自分のビジョンを持つこと。そのためにはいろいろなことを学んだり、経験することが重要でリベラルアーツはそのために非常にいい方法だと思いました。その結果、海外に出る人もいるでしょうし、国内で道を見つける人もいると思います。その両者とも"内向き"とは言わないでしょう。

今回の様子を一つのドキュメンテーションムービーにしてみました。


これは僕の敬愛する神戸芸工大学の曽和先生のグループの提唱するRTVにインスパイアされて作っているものです。ただし、ぼくの場合はパワーポイントのみを使い、短時間でつくった即席動画ですが、きっと座談会を思い返すためには十分かと。


余談ですが、小林亮介君は早稲田大学でロボットを研究されている小林哲則教授のご子息です。頭が切れるわけで。。

2010年11月15日月曜日

数学とぼく


小学校のころに学んでいた算数が、なぜか中学校になって名前が変わり、いまにいたるまでにさまざまな形で学んできた数学。先日、MITの内輪な集まりで「教えること」に関して興味をもった学生が言い出しっぺで、元高校教師で現タフツ大学数学科の博士課程の学生である@kkobayashi25にお願いして、彼が高校で行っていた数学の授業をMIT周辺の学生にやってもらおうという企画がありました。その内容は非常に密度が濃く、教えるということもさながら、数学という学問と改めて向き合ういい機会になりました。

内容はロピタルの定理。
この内容を50分にわたって、対象を高校生レベルにまで落として、わかりやすくなおかつ丁寧に教えてくれました。その時の様子をUstreamで記録してみたので興味がある方はぜひ。




高校時代は部活ばかりしていてあまり勉強していなかったですが、数学自体は好きでした。ちなみに、僕の母校沼津東高等学校のwikipediaの昔の項目に以下のような箇所がありました。(いまは冗長であるという理由からなくなっています)ほぼ事実です。

wikipedia 沼津東高等学校の過去の履歴より
レベルの高すぎる数学の試験問題
校内の定期学力考査、すなわち試験における数学の問題が難しく、相当のハイレベルであった。のちにいくつもの医学部に合格するようなトップクラスの者でも100点満点の試験で70点程度、平均が30点台ということも多かった。100点満点の試験で平均が20点前後で、40点とれば学年でトップ10に入るというケースも見られた。一ケタしか取れない者も少なくなかった。数学科の教員によると、これらは意図的なものであるらしいがその意図は不明である。
150分の長時間の試験であった。伸びる者をさらに伸ばすねらいがうかがえる。その一方で、一ケタ得点の者でも置き去りにされた(落ちこぼれた)意識をもたずにすむ側面もあり、そういう者がのちに国立大学に合格したりしている。


大学に入っても、普通に必修としての数学を受け、研究でもコントロールやダイナミクスなどをモデル化するためによく数学を用いていました。とくにコリオリ力がなぜ発生するのかと不思議に思い、この本の数式をよく勉強しました。アメリカにも持って来たくらい好きな本です。

そしてMITにきてからは、コンピュータサイエンスの授業の必修としてTheory of ComputationCryptography & Cryptanalysisyを受けました。これまで受けてきた数学と全く異なる数字の世界に戸惑うことがありましたが、それなりに楽しめました。例えば数論の中で、'mod'を証明に使ったのはこのときが初めてでしたし、さまざまな問題を証明をするためにここここなどwikipediaが非常に役立つということも知りました。しかし、自分が工学寄りの人間だからか、このような問題に取り組むよりは、コマのダイナミクスを美しく表現するためのエンジニアリングのほうが自分には合っているとこのとき確信しました。

@kkobayashiの授業のあと、彼の数学に対する情熱を知りました。彼はコマのダイナミクスのような様々な情報が削り取られ、プロジェクションされた数式を、もっとN次元の高次な世界に引き上げたいというようなことをいっていました。正直僕にはちょっと想像もつかない世界です。おそらくlinearizationなんてもってのほかなのでしょうね。

今日の名言
「数学は哲学だ」
「0と∞は親戚」
「1/数学=基本」
「競馬で2等の馬が同時にゴールした場合、ゴールしたときに速度が速かった方の馬が勝者」(これは石松)

2010年10月19日火曜日

Intuitive Automata -体重を管理してくれるロボット-

先日メディアラボは25周年を迎え、スポンサーと卒業生を招待した大規模なイベントが開催されました。



そのイベントの中で、数年前にCynthia Brazeal率いるPersonal Robotグループを卒業したCory Kiddと再会しました。Cynthiaは学生の頃Kismetを開発したことで有名な女性のロボット研究者で、Rodney Brooks教授の研究室の卒業生です。彼の博士過程の研究テーマは「ロボットと人とのインタラクション」で、体重を減らす為の食事制限や運動を管理するのに、PCやノートなどを使うよりもロボットを使う方が効果があり、長続きすることを示しました。その成果を用いて、Automという新しいロボットを開発し、現在はIntuitive Automataというベンチャー企業をはじめています。

彼のような例は非常に多く、学生が卒業した後博士課程のときの研究成果をつかって、起業することはめずらしくありません。成果に関する特許はおそらくアドバイザーとの連名になることが多いでしょうが、アドバイザーは自らの成果にすることよりも、自分の優秀な学生を世に送り込むことを大事に思っている先生が多いようです。

将来、みなさんの体重はこのロボットに管理されているかもしれない??