少し前になるけれども、日本ロボット学会学術講演会のオーガナイズドセッションで発表をする機会があった。学会の会場は横浜国立大学だったのだけれども、学会で初めての試みとしてポリコムをつかった遠隔地での発表をやらせていただいたのだ。
セッション名は「国際的に活躍する若手研究者をめざして」というもので、実際に海外で研究を行っている、あるいはしていた若手の研究員が自身の体験を話すというものだった。発表者は多岐にわたって、アメリカはもちろん、フランスやスイス、イタリアで活躍されている方々であった。おそらく自分だけが学生で活躍とはほど遠いものだけれども、自分が留学中に体験したなかで非常に印象深いものを発表した。それはSTeLAとD-labだ。
STeLAはもはや自分の中では過去のものになってしまったけれども、今でも続いているもので年に一回リーダーシップフォーラムを開催している学生団体である。簡単に説明するといろいろな国の学生を一カ所にあつめて、さまざまな課題をいっしょにこなしていき、自身のリーダーシップを磨いていくというものだ。ロボット研究に一見関係のないものだと思われがちだけれども、さまざまな分野の知識が必要な分野なので、この集合知をマネージメントするには欠かせないものの一つである。
STeLAを経験してから思い始めたことが、リーダーシップとは結局取り組むべき対象があってはじめて発揮されるものであるということ。その対象は自分にとって、心から熱中できるものでなければならない。STeLAが終わってから、なにか実践できるようなものに取り組みたいと思うようになり、それが自分にとっては、本職の義足の研究、そしてD-labだった。
csという授業を教えている。研究室では、モータやセンサなど高価な要素を組み合わせて義足をつくっているのだが、一方で授業の中ではインドやアフガニスタンでも使えるような安い義肢装具を現地で手に入る材料と現地で使える加工技術だけを使って制作している。ロボット学会では、最先端の技術が発表されているわけだけれども、一方でロボット技術のアプリケーションの一つとして、途上国向けの研究が認められてもいいのではと個人的には思っている。
とえらそうに発表してしまったけれども、深夜の0:00に一人で、カメラに向かって発表するのはさびしいものだった。ポリコムで発表したためか、あるいはもともとつまらないネタだったためか、笑いをとろうとしたところではすべり、時間も少々オーバーしてしまい、発表自体は散々であったけれども、発表のあと何人かのロボット研究者がD-labの取り組みに興味をもってくれて、日本でもいくつかおもしろそうなことができそうだ。
研究者交流会での発表、期待しています!
返信削除��リーダーシップとは結局取り組むべき対象があってはじめて発揮されるもの
返信削除これ、その通りですよね。至言ですね。