2009年10月27日火曜日

お久しぶりです。

もう数週間前のことになるけれども、シアトルのUniversity of Washingtonで開かれたワークショップに招待され、参加してきた。

ワークショップの数日前、急に知り合いからメールを受け取った。なんでも途上国での障害と技術に関するワークショップを開くけれども、MITからも一人招待したいとのこと。何回かメールをやり取りした後、行けなくなった知り合いの代わりに急遽自分が1泊3日の強行スケジュールで参加することになった。

アカデミック編
今回招待されたワークショップはこれ。オーガナイザはchangeというUniversity of Washington内のグループで、ICT(Information and Communication Techonlogy)を使った途上国開発を志している。メンバーのほとんどがコンピュータサイエンス学科に所属しているため、ワークショップの内容も障害者を補助するようなソフトウェアの紹介が多かった。例えば、目が見えない人のため声を使ったコンピュータインターフェースや、耳が聞こえない人のための言語学習システムなど、いま現在途上国で使われている既存の技術の紹介が多かった。自分は身体障害に関わっているため、Northwestern UniversityのWu氏のVacuum Castin Systemがとても印象に残った。これは通常数日は必要な義足用ソケットの作成プロセスを、数時間にすることができるというものだ。



Wu氏とは以前から知り合いで、1年前にはMITに招待し、授業の中で講演をしていただいたこともあった。そのときにはまだこのシステムは出来ていなかったはずで、実は我々DWPでも同じようなプロジェクトが進行中であった。2007年のIDEAS competitionというビジネスプランコンペティションで受賞したアイデアである。しかし、彼がすばらしいシステムを作ってしまったので、MITでは頓挫してしまったという経緯があった。 

ワークショップで再会したWu氏は、医者としては既に引退されているけれども、非常に活動的で新しい共同研究のネタをいろいろと提供してくださった。

このワークショップは、発表者の隣に手話を使った通訳が常に待機し、さらにリアルタイムで発表者が話した言葉がスライドの隣のスクリーンに映りだされていた。何でも、話した言葉を恐ろしい速さでタイプすることができるプロがいるらしい。

workshopatUW1.jpg

MITのD-labを始め、いろいろな大学で途上国開発への工学的アプローチが広がりつつある。しかし、以前として大学の研究室で行われているのは論文主体のものが圧倒的に多い。国連が提唱しているミレニアム開発目標などに代表されるような、人類が直面している大問題に対して工学ができることは、実は限られている(もちろん分野によるが)。最先端の技術開発ももちろん重要だけれども、大学の教授陣がもう少し開発に目を向けると、本当におもしろい技術がぽんぽんと生まれると思うのだけれど。。。。

旅情編
今回ワークショップが開かれたシアトルは実は2回目の訪問で、8年前にきたことがある。そのときはまだ修士の学生で、ロボカップというロボットのサッカーの大会のために訪れたのだ。ワークショップが終わった後に4時間ほど飛行機の時間まで空いていたので、ダウンタウン周辺をぶらぶらと歩いていると、何カ所か見覚えがある場所があった。とくにこのspace needleは当時滞在していたホテルから近かったので、よく覚えていた。さらに、当時イチロー選手がいるということで、見に行ったsafeco fieldも思い出深い場所の一つ。現在もまだイチロー選手が同じチームで活躍しているとは、本当におどろきでもあり、不思議とうれしくもある。

workshopatUW2.jpg

昔の写真もアップしようと掘り出してはみたものの、自分の姿が知らないうちにあまりに変わっているのにショックをうけ、断念しました。。。。

1 件のコメント:

  1. 研究者って
    仕事って理由で世界のいろんな場所を訪問出来るから良いよね~。
    いろんな人と知り合いになれるし。
    出来ることなら戻りたい。
    いいなぁ、羨ましい。
    せっかくなので、楽しんでくださいね!
    さてさて、訪問ついでに、、、
    11月7日に披露宴やるからJapanに来なよ。

    返信削除