2010年12月21日火曜日

勇気ある若者シリーズ 小林亮介

(僕が勝手にいっているだけですが)勇気ある若者シリーズとして、ハーバードの学部生である小林亮介君のリベラルアーツサマープログラム企画についての座談会がありました。

ボストン界隈では日本人研究者交流会という有名な発表会があります。ここでは、毎月2名の発表者が自分の仕事や研究について発表をするイベントで、参加者は周辺に住むさまざまな分野の研究者や留学生がメインです。僕自身も去年発表させていただき、非常に多くのメールをいただいたり、コラボレーションが生まれたりと影響力の大きなイベントです。

一方、この若者シリーズは、まだ実行していないあるいはまだ公に発表するほどのものではないような企画を本当に興味をもっている少人数の参加者と意見を出し合いながら、企画アイデアをよりソリッドに磨き上げる場として、これまでに数回行ってきました。なぜこんなことをやっているかというと、個人的にこういった場でディスカッションをするのが好きであるのもそうですが、おそらく黒川清先生が自分のような未熟な若者を、未熟であるということをわかった上でサポートしてくださるのを見て、自分よりも若い人たちへもしなければならないという思いもありました。

今回の発表者はハーバードの学部生の小林亮介君です。彼は日本の高校生向けにリベラルアーツのサマースクールを企画しています。彼の問題意識やビジョンはクリアで非常に共感できるものが多く、これまでに何回か話を聞いてきました。今回はもう少し多くの人の前で話を聞いてもらいたいという彼の要望もあり、この会が実現しました。

彼のプレゼンと座談会の様子はこちらに公開させていただいています。


彼の問題意識は高校生のときに感じていた閉塞感から来ているものです。いま思えば、おもしろい機会がたくさん身の回りにあったにも関わらず、その時には全く知ることすらできなかった。これは自分のせいなのか。ゆとり教育の弊害なのか、内向きだからなのか。
そういった問題の原因の追求はやめて、いま彼ができることを考えたのが大学生や社会人を巻き込んだ高校生向けのリベラルアーツ教育でした。

自分が留学生の身でありながら、学位留学を人に単純に進めることができなかったのはなぜかいまいちわからなかったのですが、彼と話をしていてクリアになりました。いま日本の高校生や大学生に必要なのは、まずは自分のビジョンを持つこと。そのためにはいろいろなことを学んだり、経験することが重要でリベラルアーツはそのために非常にいい方法だと思いました。その結果、海外に出る人もいるでしょうし、国内で道を見つける人もいると思います。その両者とも"内向き"とは言わないでしょう。

今回の様子を一つのドキュメンテーションムービーにしてみました。


これは僕の敬愛する神戸芸工大学の曽和先生のグループの提唱するRTVにインスパイアされて作っているものです。ただし、ぼくの場合はパワーポイントのみを使い、短時間でつくった即席動画ですが、きっと座談会を思い返すためには十分かと。


余談ですが、小林亮介君は早稲田大学でロボットを研究されている小林哲則教授のご子息です。頭が切れるわけで。。