2010年11月15日月曜日

数学とぼく


小学校のころに学んでいた算数が、なぜか中学校になって名前が変わり、いまにいたるまでにさまざまな形で学んできた数学。先日、MITの内輪な集まりで「教えること」に関して興味をもった学生が言い出しっぺで、元高校教師で現タフツ大学数学科の博士課程の学生である@kkobayashi25にお願いして、彼が高校で行っていた数学の授業をMIT周辺の学生にやってもらおうという企画がありました。その内容は非常に密度が濃く、教えるということもさながら、数学という学問と改めて向き合ういい機会になりました。

内容はロピタルの定理。
この内容を50分にわたって、対象を高校生レベルにまで落として、わかりやすくなおかつ丁寧に教えてくれました。その時の様子をUstreamで記録してみたので興味がある方はぜひ。




高校時代は部活ばかりしていてあまり勉強していなかったですが、数学自体は好きでした。ちなみに、僕の母校沼津東高等学校のwikipediaの昔の項目に以下のような箇所がありました。(いまは冗長であるという理由からなくなっています)ほぼ事実です。

wikipedia 沼津東高等学校の過去の履歴より
レベルの高すぎる数学の試験問題
校内の定期学力考査、すなわち試験における数学の問題が難しく、相当のハイレベルであった。のちにいくつもの医学部に合格するようなトップクラスの者でも100点満点の試験で70点程度、平均が30点台ということも多かった。100点満点の試験で平均が20点前後で、40点とれば学年でトップ10に入るというケースも見られた。一ケタしか取れない者も少なくなかった。数学科の教員によると、これらは意図的なものであるらしいがその意図は不明である。
150分の長時間の試験であった。伸びる者をさらに伸ばすねらいがうかがえる。その一方で、一ケタ得点の者でも置き去りにされた(落ちこぼれた)意識をもたずにすむ側面もあり、そういう者がのちに国立大学に合格したりしている。


大学に入っても、普通に必修としての数学を受け、研究でもコントロールやダイナミクスなどをモデル化するためによく数学を用いていました。とくにコリオリ力がなぜ発生するのかと不思議に思い、この本の数式をよく勉強しました。アメリカにも持って来たくらい好きな本です。

そしてMITにきてからは、コンピュータサイエンスの授業の必修としてTheory of ComputationCryptography & Cryptanalysisyを受けました。これまで受けてきた数学と全く異なる数字の世界に戸惑うことがありましたが、それなりに楽しめました。例えば数論の中で、'mod'を証明に使ったのはこのときが初めてでしたし、さまざまな問題を証明をするためにここここなどwikipediaが非常に役立つということも知りました。しかし、自分が工学寄りの人間だからか、このような問題に取り組むよりは、コマのダイナミクスを美しく表現するためのエンジニアリングのほうが自分には合っているとこのとき確信しました。

@kkobayashiの授業のあと、彼の数学に対する情熱を知りました。彼はコマのダイナミクスのような様々な情報が削り取られ、プロジェクションされた数式を、もっとN次元の高次な世界に引き上げたいというようなことをいっていました。正直僕にはちょっと想像もつかない世界です。おそらくlinearizationなんてもってのほかなのでしょうね。

今日の名言
「数学は哲学だ」
「0と∞は親戚」
「1/数学=基本」
「競馬で2等の馬が同時にゴールした場合、ゴールしたときに速度が速かった方の馬が勝者」(これは石松)